パノラマの館2





地質写真の世界にパノラマ写真の技術というのは,必須・必要・有用だと思うのですが,なかなか普及しません.例の『北海道地質百選』にもパノラマ写真をいくつか投稿していますが,ウェブシステムがそれに対応していないので,何とも間の抜けたプレゼンになっています.
このへんは,紙出版の世界がまだましだと感じられるので,残念です.

さて愚痴はそのへんにして,上の写真は今金町住吉橋たもとに露出する新第三系館層の露頭です.成層したシルト岩・砂岩ですが,傾斜が絶妙で,地層の構造が実感できる素晴らしいサイトです.この写真程度でもその雰囲気は伝わるのですが,パノラマ写真にすると,なかなかの迫力です.




これは,12枚の写真をパノラマ合成したものです.ずーっとしげしげと眺めていくと飽きません.
実はこの写真を撮ったのはすごく昔(2001年?)の話で,その当時使っていたパノラマ合成ソフト Canon PhotoStitch では,どうもうまい具合に合成することができませんでした.今回,現在使っている PTGui で再合成してみたら,全体がひん曲がることもなくばっちりで,感動しました.見てもらうとお分かりのように,左右両側に後志利別川が写っていますので,文字通り『180度パノラマ』ということになります.

ちなみにこの露頭,右側の下位層の黒っぽくなっているところは,硬質頁岩ぽくなっており,おそらく八雲層に入るものと考えられます.少なくともここでは両層の関係は完全に整合漸移ですね.




ついでなので,もう一枚,パノラマ成功例を.中富良野の丘陵地から眺めた,夕暮れの十勝岳連峰です.
これで5,6枚の合成だと思いますが,空の接合部も自然にブレンドされており,お気に入りの一枚です.よく見ると,センサーダストが1個写り込んでいて,同じ場所に何度も出てきています.当時使っていた一眼デジには,ダスト除去機能がなかったもので,結構苦労したものです.

2013/02/28 10:55:38


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