胆沢扇状地の構造





またもや胆沢扇状地です.そういえばだいぶ昔,某出版機関から『胆沢扇状地の写真を持ってないか?』という問い合わせがあったことがあります.もちろん持ってませんでしたが,結局どんな写真が使われたんでしょうか? ちょっと気になります.おそらく...対面の物見山あたりから視界の良い時に写真を撮れば,まあまあなものが撮れるんじゃないかと思いますが...俯角が足りないかな?

で...胆沢扇状地はとにかく気になる存在なので,あらためて国土地理院から 10mメッシュデータをダウンロードしてデータ変換し,Surfer11 で陰影図にしてみました.
なかなかすごいですよね.カシミールとは陰影処理が違うので,こちらの方がかなりディテールが見えてきます.もしかするとカシミールは,(同じDEMを使ってるわけですが)多少データを間引き処理してるのかも?

この陰影図で見ると,下の記事で気になると書いた『しわのような地形』は,どうやら浸食地形のようです.もしかすると,ある時期の北上川の氾濫原の西縁を示すものかもしれません.
実は,前にも書きましたが,胆沢扇状地は,河岸段丘と扇状地の複合体,というか河岸段丘の複合体が扇状地を形成している,と言うべきかもしれません.上の図にはそれが実によく表現されています.




右の図は,国交省東北地方整備局ウェブで見つけた図を下敷きに描いた胆沢扇状地の地形スキームです.おそらくちゃんとした原典があるんでしょうけど,見つけることができませんでした.
これで見ると,上の『浸食地形』は,どうやら,中位段丘を切っているように見えますので,水沢段丘形成以前になにかイベントがあったのかもしれません.
そういう目で見ると,胆沢扇状地北方の金ヶ崎付近にある『残丘状地形』も気になりますね.見ようによっては,火星の洪水地形のようにも...冗談です.

まあこういったことは,単に私のような地形素人が好き勝手言ってるだけなので,きっちりとした地形学的な研究が行われているはずで,上のようなことはまったくのウソ間違いかもしれません.それで,こういう胆沢扇状地の構造発達史がどこかで記述されているのではないかといろいろとウェブを漁ってみましたが,いまのところ見つけていません.どなたかご存知の方いらっしゃいましたらご教示よろしく.




ということで胆沢扇状地についての話は終わりですが,最近,胆沢扇状地を見るベスト視点を見つけたのでご紹介しておきます.それは,奥州市-北上市境界付近の高度1万mから南西に胆沢扇状地を見る,というものです.なかなかの迫力でしょう?

2013/11/21 10:51:27


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