北海道全体俯瞰図
これは,DEMデータから作成した北海道全体の地形俯瞰図です.鳥瞰図と読んでもいいのかもしれませんが,このスケールだと鳥瞰(Bird's Eye)というのはなんかヘンですね.
こういうグラフィックスを見ると,『地質と地形は1:1対応』ということをいつも感じます.
なお,この俯瞰図,海のところに何やらあり得ない起伏が見えますが,これは海面の高さがデータとして存在しないために生じたデータ補間の際の artifact です.海の部分をゼロmデータで埋める処理をすればよいのですが,めんどくさいので...(^^;
で,このDEMデータ,実は最近の10 mとか5 mメッシュのデータではなくて,20年以上前に入手した国土数値情報です.このデータは,『3次メッシュ(1 km間隔)』を 4x4 分割したもので,つまり 250 mメッシュデータということになります.微地形なんかは手も足も出ませんが,北海道全体というスケールならば十分に表現力があるんですね...標高値の精度は 10 m!です.
今思うと信じがたいのですが,このデータは,国土地理院から大型コンピュータ用の磁気テープで送られてきました.そのデータサイズはたったの 40 MB でした.もちろんパソコンでは読めないので,当時の藤原嘉樹助教授に頼んで,大型コンピュータセンターで変換してもらった記憶があります.あれ?フロッピーには入らないし,どういうメディアでもらったんだっけ...?
いまさらながらこのグラフィックを見ると,あれこれのことが見えているわけですが,こういう角度で見るともっとも印象的なのは,日高山脈西麓・日高海岸部の河川流路群です.これだけ流路・氾濫原が発達しているのなら,この沖合にはさぞかし大きな or 沢山の海底扇状地があるんだろうな...と思って Google Earth で見ると,大陸棚には海底峡谷もなく,大陸斜面は比較的シンプルで,その向こうには日高舟状海盆しかありません.うーむ...世界最大の扇状地 Bengal Fan も Google Earth で見るとただのフラットな海底だし,そういうものなんでしょうか? 素人にはどうもよく分かりません.
ちなみに右の図は,この3次メッシュデータから当時作ったものです.このデータには,最初から傾斜データが含まれているので,右上の図を作るのは簡単でした.今見てもなかなか面白いです.
下の二つは,授業用に作ったもので,地球温暖化で海面上昇が起こったら,人間社会にどういうインパクトがあるかを説明するためのものです.大きな都市であまり影響を受けないのは旭川と帯広くらいなものですね.
2013/10/03 11:49:12