プリンター出力の褪色


これは,公式HPの方に昔(2003年 ^^;)書いたものの移動・再録です.『褪色』つながりということで.
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 パソコンからの印刷出力の“耐久性”(耐侯性)は非常に気になるところです.
 おそらく,白黒印刷の文章や図表類は,ほとんど問題はないのでしょうが,写真やカラーの図などはどうなんでしょう?
 例えば,プリンタで出力された提出卒論・M論などが,ある日開いてみたら,色褪せで悲惨なことに...ということになったら,まさに悪夢です.

 そこで,手持ちのインクジェットプリンタ(EPSON PM-3300C)とカラーレーザプリンタ(EPSON LP-8800C)を使って,簡単な耐久試験をしてみました.

試験方法と結果
 適当なカラーデータ(ネームプレートです)を,二つのプリンタで印刷し,それを部屋のドアに貼って,2~3ヶ月を経過させました.PM-3300C は『PM写真用紙』,LP-8800C は『光沢コート紙』,いずれもメーカ純正の専用紙に印刷しました.左が印刷直後の状態です.




 ドアの外側は廊下で,外光はほとんど到達しない場所です.もちろん直射日光はありません.廊下天井には蛍光灯の照明が設置されていますが,その光はドアに対しては(当然)斜めに照射される状態です.一番近い蛍光灯までは約1.5 m.蛍光灯は常に点灯しているわけではありません.休日などは消灯されています.

 この約3ヶ月後の状態は右のようになっています.



 いかがでしょうか?たった2ヶ月でインクジェットプリンタの出力は,元とは似ても似つかない色に変色しています.黒は問題ないようですが...おそらくシアン系がほとんど落ちているようです.
 これに対して,レーザプリンタの出力は,ほとんど変わっていません.

考察と結論
 テスト条件を同一に保てたわけではないので,多少の不正確さはありますが,『インクジェットプリンタのカラー出力はきわめて脆弱』であることは,一目瞭然でしょう.これが外光の射さない場所でのたった三ヵ月後とは...私にとっても多少意外でした.

 これ以上の長い露曝テスト期間を取ったときにレーザジェットプリンタの出力がどのように変化していくかは現時点ではなんとも言えませんが...印刷出力を年オーダーで保存する際は,(少なくとも染料系インクの)インクジェットプリンタは使うべきではない,というのが結論です.

 このテストを行ってから,染料系インクも,EPSON の“つよインク”だとかキヤノンの ChromaLifeとか,耐候性をうたった製品がでています.それらでどうなのかは確認できていませんが...さて?

2009/04/16 10:38:06


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