ワッカケ岬岩盤崩壊





このカテゴリーはまったく久しぶりです.内容もいまさらな感じですが...とにかく見たものは書いておこうと思います.

これは,2001年7月に,有志で漁船をチャーターした時の写真です.『豊浜トンネル崩壊現場』の東方(余市側)にあるワッカケ岬の崩壊跡です.
豊浜トンネル事故調査委員会報告書にも周辺事例として挙げられていますが,詳細は書かれていません.永田(2000)で学会発表が行われています.永田氏の博士論文によると,この崩壊は1993年12月某日の深夜に起き,近くの民宿(写真の右はじに写っています)の住民によると,ドーンと地震のような揺れを感じたそうです.




接近してみると,なかなかの迫力で,崩壊量3万立方mに及ぶ大規模崩壊です.
永田氏によると,崩壊は斜面上部のオーバーハングした割れ目に沿って岩盤が分離し発生したようです.

さて,いったい私はこれで何を言いたいのかと言うと...当たり前ですが,岩盤崩壊は自然現象なんだなぁ,と.(^^; 何アホなことを言ってるのかと思われそうですが,このワッカケ崩壊は,崩壊体の下方に『人的財産』が存在していなかったので,何も問題になることもなかった.しかしもしこの下が国道だったら,そこをクルマが通行していたら...豊浜トンネル事故と同じことになっていたでしょう.

つまり,岩盤崩壊事故は自然現象と人的営為との相互作用なんだと...あまりに当たり前のことですいません.

2012/07/11 13:10:51


カテゴリー目次へ戻る
トップページへ戻る