四世代のトンネル
今度はがらりと違った話を...
私は,このカテゴリーの下の記事に書いたように,豊浜トンネル崩落事故の調査委員会のメンバーに加わって以来,道路管理やトンネル工事などの地質関係の“意見陳述人”として,いろいろなところに関わっています.それ自体は,単に大学の地質屋というレッテルを使われているに過ぎないのですが...そのおかげで,それまで単なるフィールド地質屋としてはあまりお目にかかったことのない場面に遭遇する機会があり,自分的にはかなり得をしていると思っています.
このカテゴリーでは,そのへんをちょこちょこと書いておこうと考えています.
これは...積丹半島の国道229号線で見た,『四世代のトンネル』です.正確な地点は覚えていないのですが,余別の近くだったと...って,トンネルの上にちゃんと“武威トンネル”と書いてありますね.これが第四世代.
第三世代は言うまでもないと思いますが,写真真ん中左に見えています.第一・二世代はちょっと分かりにくいと思いますので,オリジナルから切り出したものを.左が第一・二世代,右が第三世代です.
第二世代は旧道の護岸がまだ見えていますが,第一世代はさすがにほぼ完全に崩落しており,原形をとどめていません.ここに道があったかどうかさえ定かではない状態です.
で,何を言いたいのかというと...特に229号線のような海岸の急崖沿い路線では,交通量とか,社会の要請や変化に伴って,こういう営為が続けられているんだな...と.229号線に限らずこの類の国道では,崩落などの危険性を“別線”を作ることによって回避するのが流れとなっているようです.
今朝見たニュースでは,国交省関係の予算では道路維持費用が20%近い削減を受けるようです.願わくば,“必要なものまで削減して欲しくない”,そう思います.
2009/10/15 16:06:38