ヘリコプター空中観察
授業シーズンが始まってちょっと気持ち的に余裕がないので,とりあえず気楽ネタを.
私は北海道開発局(あまりイメージ良くないのかな?)に委嘱されて,道路防災のアドバイザリーを務めていますが,その際の極め付けが,これ,ヘリコプターによる問題箇所の空中観察です.
ヘリ自体は,非常に立派なもので,ガスタービンエンジン2発かなんかで,堂々としたものです.少なくとも蚊トンボみたいなものではありません.天気さえ良ければそれほど揺れるということもないので,乗り心地自体は悪くない.
コックピットと機体右脇に張り出した丸いやつは,空撮カメラです.静止画と動画の二つがあります.
この写真は下のアスファルト見るとお分かりのように,どこかの駐車場に降りて燃料補給をしたときのものです.
私がヘリに初めて乗った当時は,ローターが回っている状態で乗降するようになっていたので,これはけっこう怖かったです.乗り降りするたびに,コンバットのビック・モローの死に様を思い浮かべていました.現在は運用規則が変わったのか,搭乗者が全員乗ってからローターを始動するようになっています.
で...単にヘリに乗るということもなんとなく怖いんですが,一番怖いのがこれ.要するに問題斜面をフライバイして旋回しながら上方観察をする,というやつです.これはさすがに,『全然ダメ』な人もいるのではないでしょうか?
その役をする搭乗者(たいてい私ですが)は,丸く外に突き出した窓(上の写真に写っています)に顔を近づけて,旋回中のヘリから下を覗き込みます.そうするとヘリが窓側に傾いているときなんかは,『空中に投げ出されて見ている』ような感じで,右側の写真のような光景を見るわけです.これは正直,相当怖いです.
もちろん,怖いだけじゃ役に立たないので,その体勢から『崩壊斜面上部の尾根にちょっと開いたみたいな割れ目らしきものが見えるな』なんて思いながらカメラ構えてシャッター切るわけです.
このアドバイザリ・スタッフを務めている人はみな多かれ少なかれこういうことをしているわけです.大学の地質屋がそういうことをしている,なんて案外知られていないのでは?なんて思っています.
2010/04/09 11:22:37