黄金道路の上方斜面...
黄金道路(国道336号線)がらみでもう一つ.
この写真見ると,けっこうぞっとしませんか? 下に見えているのは言うまでもなく国道の覆道ですけど,要するに私たちがクルマで通っている国道の上のほうはこうなっているんだと...
へんな言い方なんですけど,この斜面は“たまたま都合がいいだけ”なんだと思います.下のえりも崩壊の斜面の色と比べてなんだか黒っぽいのに気づくと思いますが,広尾市街寄りではホルンフェルス化していない(か非常に弱い)ので,岩石(付加体の砂泥質岩)の表層部が風化・応力解放によってかなり細片化しているんですね.
そのため,斜面上部で崩壊が発生しても,岩盤崩壊というよりは,表層崩壊に近く,崩壊物も径1mを越えるものはまれで,ほとんどが土砂化して覆道に達する,ということになっています.この写真でも下半分を見ると,そのへんが良く分かると思います.覆道脇に多少の待ち受けとポケットがあれば,それで大きな問題になることはない,というわけです.
うーん...いやほんとによかったというか,このへんが,えりも崩壊のような岩盤崩壊する岩質だったら,全線トンネル化という手しかなかったような.
でも...あまり安心ばかりもしていられないみたいな.広尾側でも斜面上部がこんな感じで流れ盤の岩盤崩壊を起こしそうに“見えなくもない”ところも確実にあるので,やはり油断せずに防災チェックは確実にやっていかなくてはいけないと感じています.
2009/12/04 10:51:42