不思議な角礫化現象





もう一つ,付加体供養ネタです.

場所は松前町折戸浜海岸.渡島帯ジュラ紀付加体です.私が3年生の時の懐かしい修論フィールド.もちろんそのときは,こんなこと気づきもしませんでしたが.

たしか,この付近の砂貫入現象を調べていたときだったと思います.母岩のタービダイト互層の中に,こんな不可思議な網状破壊構造があちこちに見られることに気づきました.
その破壊現象が進むと,こんな感じになってしまい,元のタービダイト構造の堆積構造はほとんど失われています.角礫化と同時に各角礫の転位も認められます.




角礫の間を埋めているのは,炭酸塩鉱物ですが,このオレンジ色を見るとお分かりのように,ドロマイトです.この場所ではありませんが,東側の戸井地域ではこのような角礫化部が厚さ数十cmの“貫入脈”を作っているのも見たことがあります.

この炭酸塩関与角礫化現象のメカニズムはもちろん不明ですが,私の第六勘に響いてきたのは『メタンハイドレートの酸化による現象(!)』でした.もちろん何の証拠もありません.道南新第三系の中には,おそらく温泉現象と関係のあるドロマイト形成が見られる場所もありますので,単にそういうことかもしれない.

しかし...どうもやっぱり直感として気になりますよね.以前,ある大学院生に,『酸素同位体とか測定してみない?』と持ちかけたことがあるのですが,(メインテーマが忙しくて)さすがにそこまでは手が出ませんでした.

2009/11/24 11:08:50


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