イドンナップのメランジュ
浦河町日高幌別川支流のイドンナップ帯ナイ沢コンプレックスのメランジュです.フィールドノートから向こう側の赤い色をしたのが緑色岩で,手前の白っぽいのはチャートだったと思います.たぶん...f(^^; 両者の間には明確な剪断帯が見えていますね.
Ueda et al. (2000)で典型的なナイ沢コンプレックスのメランジュユニット(NM-unit)として記載された露頭なので,結構有名というか,牧場のすぐ奥でアクセスも短いので,巡検なんかでよく利用されている露頭です.川の中州みたいなところなので,水量が多いと渡れなかったりしますが,それを除くととても良いところです.
し.か・し...メランジュというものを分かっている人にはいいんですが,3年生の巡検なんかだと,反応はいまいちです.緑色岩(しかも赤い)とチャートがごちゃごちゃとある『だけ』に見えるみたいで.
そこで,すぐ隣接した破断砂泥互層を見せるわけですが,ますます反応は鈍くなっていく.緑色岩とチャートは海洋地殻の構成物で,こちらは海溝充填堆積物が変形破断したもの,と説明しても,そもそもその相反する地質体のイメージがはっきりとしていないと,沈み込み破断のイメージもはっきりとはしないんですよね.当然のことです.
そういう説明を続けていると,いったい自分もそのイメージを明確に持っているのか?と自問したくなる気持ちに襲われてきます.
付加体は難しい...
2013/05/29 14:22:41