蒼いピロー
写真がちょっといまいちでよく分かるかどうか...これは『蒼いピロー』です.三石町の“神居古潭帯”で撮ったもので,弘前大の植田さんに案内してもらったときのショットです.ほぼ非変形で,ピローが原型そのままにアルカリ角閃石(おそらくリーベック閃石)の晶出で青くなっています.ピローだけが青くなっているのは,Fe3+ のバルクコントロールだと思われます,たぶん.
で...いろんな人にこの写真見せると,『high-P/T といっても要するに静水圧なんだから,片理できてないといっても当たり前じゃない? フランシスカンだってそうでしょ? 変成岩だから片理できてなくちゃいけないって固定観念じゃ?』なんていわれるのですが...違います.(^^;
変成作用のピークは確かにそれで(も)良いと思いますが,問題はその上昇にあるということで.たしか丸山茂徳さんだったと思いますが,“high-P/T変成岩は基本的にすべて貫入体”ということをおっしゃっていたと思います.まったく同感です.おそらく high-P/T変成岩体が static なドーム上昇程度で済んでいるということはないのではないかと.
そうすると,high-P/T変成岩でこんな具合に non-schistose なのはやはり珍しいのではないかと思います.もしかするとこの周りは片理でべらべらになっていて,その中の“tectonic fragment”なのかもしれませんが.
2009/04/01 09:41:05