釜の仙境-上磯コンプレックスの石灰岩体





私自身はこの岩体を調査したことはないんですが...昔々,亀山聖治さんに卒業論文をやってもらったことがあって,その結果は,川村ほか(1997)に書いています.

要するに,ジュラ紀付加体中の巨大石灰岩体ということになります.分布域は南北5km,東西4kmとも言われていますので,北海道では最大級の石灰岩体だと思います.
上の写真は北斗市と森林管理署?が立てた看板ですが,石灰岩体の中を渓谷がゴルジュで流れている,まさに北海道では珍しいところになっていて,『釜の仙境』と呼ばれています.




で,昨年夏に行ってみたのですが,何しろ『散策路コース』とか書かれていながら,入り口はこんな感じです.なにやら悪い予感が...で,入ってみたら案の定,『一人だと地質屋でもさすがに不安になるような』場所でした.踏み跡もほとんどなく,散策路は夏草に覆われていて,熊の気配が濃厚...何しろこの辺は,何年かに一回はヒグマによる人的被害が出ているところですからね...一応音出しながら歩きましたが,結局,釜の仙境と呼べるところまでは行くのを断念しました.




この写真は,もう20年位前に,学生さんたちと一緒に行ったときの写真です.非デジカメ写真.この写真も撮ったのは夏だったと思うけど,夏でもひんやりとした雰囲気が良く出ています.でもなぁ...『ここゴルジュ渡って調査せいよ』と言われたら,ちょっときついところです.(^^;




ということで,昨年行った時は,林道の露頭見ただけで帰ってきてしまいました.根性無しだけど,他に見たいところもあったので.f(^^;
この露頭ですが,おそらく石灰岩体の上位にあたる層準で,成層石灰岩・石灰質タービダイト・火砕岩質シルト岩などの互層部と思われます.詳細はよく分かりませんが.

前述の亀山卒論では,こういった層準(もっと上だと思うけど)から三畳紀新世~ジュラ紀古世の放散虫を出しているわけなので,よくやったもんだな,と感心します.

2010/04/13 13:51:48


カテゴリー目次へ戻る
トップページへ戻る