ハッタオマナイ層の変形礫岩





下に紹介した赤岩青巌峡のすぐ下流(下注)に露出する,前期白亜紀付加体ハッタオマナイ層中の礫岩です.

注)この付近に行くといつも思うのですが,川(鵡川です)の流れる方向が感覚と逆なんですよね.占冠市街地から山の中に入っていくと,それが下流方向なんです.河川争奪でもあったんでしょうか?

で,この礫岩,砂質基質で礫種は泥岩を主体とする泥クラスト礫岩風ですが,砂岩礫とそのほかに少量の珪長質火山岩(淡緑色)と石灰質岩の礫を含んでいます.
この角ばった泥岩礫がリップアップクラストだとすると,オリジナルな砂質重力流中には少量の珪長質火山岩礫しか入ってないような代物ですが,それでいいのかな...? よく分かりません.
あと,ハッタオマナイ層は,空知-エゾ帯(イドンナップ帯)の弱変成付加体コンプレックスでは,ナイ沢コンプレックスに相当するんじゃないかと思うのですが,そちらにはこういう礫岩は存在するのでしょうか?




右の写真の中央右上に見えているやや褐色に風化した礫が石灰質岩礫です.石灰質砂岩のようにも見えますが,薄片作ってないどころか,サンプルも採ってないので,詳細は不明です.
この礫岩,この写真で良く分かるように,見事に褶曲しています.波長は数十cmというところだと思いますが,もっと波長の短いちりめんじわ用の褶曲もしているみたいです.珪長質岩や石灰質岩の礫はコンピーテントなようで変形していないのですが,泥岩クラストが著しく変形しているのが分かります.だからどうなの?と言われそうですが,少なくとも私にはけっこう珍しいような気がするので...

ちなみにこの露頭写真,今は昔の,200(2000ではない)万画素のデジカメで撮ったものです.私が使った最初のデジカメでした.いかにも画素数の少ないようなガサついた写りですね.で,もっとちゃんとした写真を撮っておこうと,最近行ってみたのですが,どこに露頭があるのか分かりませんでした(涙).ヤブのせいか,はたまた根性が足りなかったのか...

2014/03/11 14:47:14


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